こんにちは!ユニバードさんなのだ。

高齢者や障がい者など、多様な人に使いやすいものを作るためには、どんなことが不便に感じやすいのか、疑似体験してみることがとっても役立つのだ。
そこでユニバードさんは、東京の芝公園にある公益社団法人 長寿社会文化協会(WAC)の高齢者疑似体験インストラクター研修に参加したのだ。
この研修は協会の高齢者疑似体験セット「うらしま太郎」(以下、「うらしま太郎」とする)を使った高齢者疑似体験を行うのに必要な知識を学ぶものなのだ。

年齢を重ねると身体にどのような変化が起こるのか?という基礎的なことをはじめ、「うらしま太郎」がどのようにして作られてきたのかについて学び、それからそれを使って実際に高齢者の疑似体験をするのだ。
「うらしま太郎」が開発されたのは1993 年。なんと、今から27年も前にできたものなのだ。80 歳くらいになったときの心身の変化を疑似的に体験できるものなんだよ。

高齢者体験中のユニバードさん

ユニバードさんも実際に装着をして体験してみたんだけど、まさに名前のとおり「うらしま太郎」みたいに何十歳も歳をとった感覚になってすごく驚いたのだ。
頭から足元まで、すべての体験ツールを装着すると、身体が重くなって動きもぎこちなくなるし耳も聞こえづらくなり、目も高齢者の見え方を再現する特殊なメガネをかけることで、白内障の見え方になるのですごくモノが見えにくくなったのだ。
さらに高齢者の色の見え方も再現されているので、本当は色がついているのに色があるのがわからなかったり、メガネをとおして見た色と、メガネを外して見た色が全然違っていてびっくりすることもあったのだ!

だから、自動販売機で缶入り飲料のサンプルを見たとき、よく読めなかったり、体験用メガネを通して見てイメージしていた色と、体験用のメガネを外して見た実際の色合いが全然違ってびっくりしたし、よく目が見えないので、階段を上り下りするのもちょっと怖くて、杖をつきながらゆっくり動く必要があったのだ。
そして、お金をお財布から取り出すにも手が動かしづらかったり、お金を確認しづらくてすごく時間がかかってしまい、すごくハラハラしたのだ。高齢の方が、レジの前で支払いに時間がかかっていたりするのがなぜなのか、少しユニバードさんはわかった気がしたのだ。

こんなふうに実際の高齢者に近い感覚を、いろいろな会社の人が体験することで、世の中のさまざまな製品・サービスが高齢になると使いづらくなるんだなって気づいて、いろいろなモノが何気ない形でだんだんと高齢の方に利用しやすいように変化していっているんだよ。

ATMに傘を置くユニバードさん

たとえば、ユニバードさんはこの間、雨が降っている日に、ATM(現金自動預け払い機)でお金を引き出そうと銀行に行ったのだ。ATMには傘置きがあって便利だったのだけど、これ、じつはもともと高齢の方のための杖置きとして設置されたものだったということ、知っているかな?ユニバードさんはこの研修で、そのことを知ったのだ。
高齢者の方々に使いやすく改善したら、高齢者ではないいろいろな人にも便利なものになったんだね。

高齢者の特徴を体感することが、ユニバーサルデザインへの気づきにつながる。
今回の高齢者疑似体験インストラクター研修での経験を、これからのユニバーサルデザインへの取り組みに活かしていきたいのだ。


【リンク】
公益社団法人 長寿社会文化協会(WAC)
https://www.wac.or.jp/